高度計算機

この高度計算機では、気圧から高度を、高度から気圧を計算できます。また、2地点の標高差と登山時間の目安も計算できます。登山、航空、気象の理解に最適なツールです。

はじめに - 高度と気圧の関係とは?

高度(こうど、英: altitude)と気圧(きあつ、英: atmospheric pressure)には密接な関係があります。高度 計算は、登山、航空、気象学で重要な計算です。

地球の大気は重力により地表付近に集まっているため、高度が上がるにつれて気圧は下がります。海面での標準気圧は1013.25 hPa(ヘクトパスカル)ですが、富士山頂(3776m)では約630 hPaまで低下します。これは海面の約62%の気圧です。

気圧と高度の関係は、国際標準大気(ISA: International Standard Atmosphere)というモデルで定義されています。このモデルでは、高度0〜11,000mの対流圏において、高度100mあたり約12 hPaの割合で気圧が減少すると定められています。

日本では、登山者が携行する気圧高度計で現在地の標高を確認します。また、航空機の高度計も気圧を測定して飛行高度を表示しています。気象庁では、全国約1,300地点で気圧を観測し、天気図の作成や気象予報に活用しています。

現在地の気圧から高度を計算します

気圧計や天気アプリで確認できます

標準: 1013.25 hPa(天気予報で確認できます)

標準: 15℃(より正確な計算のため)

計算結果

計算結果がここに表示されます

高度と気圧について

高度が上がると気圧は下がります。この計算機では国際標準大気モデルを使用して、 気圧と高度の相互変換を行います。

基本原理

  • 海面気圧: 約1013.25 hPa(標準大気圧)
  • 気圧減少率: 高度100mで約12 hPa減少
  • 富士山頂: 約630 hPa(海面の約62%)
  • エベレスト: 約313 hPa(海面の約31%)

注意事項

  • 気温や湿度により誤差が生じます
  • 天候による気圧変化に注意が必要です
  • 正確な高度はGPSで確認してください

国際標準大気モデル

国際標準大気(ISA)は、国際民間航空機関(ICAO)が定めた大気の標準モデルです。気圧と高度の関係を計算する際の基準として使用されます。

高度(m)気圧(hPa)気温(℃)参考
01013.2515.0海面
1,000898.88.5高原
2,000794.92.0-
3,000701.1-4.5高山
3,776630-9.6富士山頂
5,000540.2-17.5-
8,848313-42.5エベレスト

※温度減率: 6.5℃/1000m

日本の山岳における高度

日本の主な山の標高

国土地理院の測量による日本の主要な山の標高:

  • 富士山: 3,776m(日本最高峰)
  • 北岳: 3,193m(南アルプス、日本第2位)
  • 奥穂高岳: 3,190m(北アルプス、日本第3位)
  • 槍ヶ岳: 3,180m(北アルプス)
  • 立山(大汝山): 3,015m(北アルプス)
  • 白馬岳: 2,932m(北アルプス)

国土地理院 →

高山病のリスク

高度が上がると酸素濃度が下がり、高山病のリスクが高まります。日本登山医学会によると、高山病の症状は通常2,500m以上で現れます。

  • 1,500m未満: 通常、症状なし
  • 1,500〜2,500m: 軽度の息切れを感じることがある
  • 2,500〜3,500m: 高山病のリスクがある(富士登山など)
  • 3,500m以上: 高山病のリスクが高い、順応が必要

富士登山では、急激な高度上昇により高山病を発症する登山者が多く見られます。ゆっくりとした登山ペースと十分な水分補給が重要です。

登山コースタイムの計算

日本山岳会や登山ガイドでは、標高差からコースタイムを概算します:

  • 登り: 標高差300m/時間(荷物の重さや体力により変動)
  • 下り: 標高差500m/時間
  • 休憩時間: 行動時間の20%程度を追加

例:標高差1,500mの登山の場合
登り: 1,500m ÷ 300m/h = 5時間
下り: 1,500m ÷ 500m/h = 3時間
休憩: (5+3) × 0.2 = 1.6時間
合計: 約9.6時間

気象庁の観測

気象庁では、全国約1,300地点で気圧を観測しています。富士山頂にも気象観測所があり、高度3,776mでの気象データを収集しています。

これらのデータは天気図の作成、気象予報、航空気象情報などに活用されています。

気象庁 →

航空における高度計算

気圧高度計

航空機の高度計は、気圧を測定して飛行高度を表示する「気圧高度計」です。国際標準大気モデルに基づいて、気圧から高度を換算します。

日本の航空法では、航空機は気圧高度計を装備することが義務付けられています。パイロットは離陸前に、空港の気圧(QNH)を高度計に設定します。

飛行高度の種類

  • 気圧高度:標準気圧(1013.25 hPa)を基準とした高度
  • 真高度:地表からの実際の高さ
  • 密度高度:気温・湿度を考慮した高度

日本の航空交通

国土交通省航空局によると、日本の民間航空機の巡航高度は通常9,000〜12,000m(約30,000〜40,000フィート)です。

この高度では気圧は約200〜300 hPa、気温は約-50℃になります。航空機はこの環境で安全に飛行するため、与圧システムを装備しています。

国土交通省 →

高度計算の実用的な応用

登山での活用

  • 気圧高度計で現在位置を確認
  • 標高差からコースタイムを計算
  • 気圧変化から天候の変化を予測
  • 高山病のリスク評価

スマートウォッチ・GPS機器

近年の登山用スマートウォッチやGPS機器には、気圧センサーが内蔵されています。これにより、GPSの高度データと気圧データを組み合わせて、より正確な標高を表示できます。

日本の主要メーカー(カシオ、ガーミン、スントなど)の登山用時計は、高度・気圧・気温を同時に表示し、登山計画に役立てることができます。

建築・土木

建築や土木工事では、基準点の標高を正確に測定する必要があります。国土地理院の水準測量により、全国の基準点の標高が決定されています。

東京湾の平均海面を標高の基準(東京湾平均海面、T.P.)としており、すべての標高はこれを基準に測定されています。

気象予報

気象庁では、各地の気圧データを海面気圧に換算して天気図を作成します。これにより、標高の異なる地点の気圧を比較できるようになり、高気圧・低気圧の位置を正確に把握できます。

よくある質問 (FAQ)

Q: なぜ高度が上がると気圧が下がるのですか?

A: 大気は重力により地表付近に集まっています。高度が上がると、その上にある大気の重さ(=気圧)が減るため、気圧が下がります。海面では約1013 hPaの気圧がありますが、富士山頂では約630 hPaになります。

Q: 気圧高度計の精度はどのくらいですか?

A: 一般的な気圧高度計の精度は±10〜50m程度です。ただし、気温や湿度、天候による気圧変化により誤差が生じます。GPSと組み合わせることで、より正確な高度測定が可能になります。

Q: 天候が変わると高度計の表示も変わりますか?

A: はい、変わります。低気圧が近づくと気圧が下がり、高度計は実際より高い値を示します。逆に高気圧が近づくと気圧が上がり、実際より低い値を示します。登山では定期的に高度計を補正することが重要です。

Q: 富士山の気圧はどのくらいですか?

A: 富士山頂(3,776m)の気圧は、標準大気では約630 hPaです。これは海面気圧の約62%に相当します。酸素濃度も海面の約62%になるため、呼吸が苦しく感じられます。

Q: 登山のコースタイムはどう計算しますか?

A: 一般的な目安として、登りは標高差300m/時間、下りは500m/時間で計算します。ただし、個人の体力、荷物の重さ、登山道の状態により大きく変わります。初心者はゆとりを持った計画を立てることが重要です。

参考リンク