平方完成計算機

この平方完成計算ツールでは、二次関数の標準形(ax² + bx + c)を平方完成の形(a(x - h)² + k)に自動変換します。係数a、b、cを入力するだけで、頂点座標(h, k)、対称軸、判別式、x軸との交点を計算し、詳しい計算過程も段階的に表示します。二次関数のグラフの性質を理解するのに役立ち、高校数学の関数とグラフの学習に最適です。

平方完成とは?

平方完成(へいほうかんせい)は、二次関数を変形する重要な技法の1つです。 標準形 ax² + bx + c を、平方の形 a(x - h)² + k に変換することで、 二次関数のグラフの頂点や対称軸を簡単に読み取ることができます。

平方完成の形:

標準形: y = ax² + bx + c

↓ 平方完成

y = a(x - h)² + k

  • 頂点:(h, k)
  • 対称軸:x = h
  • 最大値・最小値:y = k(aの符号により決定)

二次方程式の係数を入力

y = ax² + bx + c

平方完成とは?

平方完成(へいほうかんせい)は、二次関数を標準形から平方の形に変形する手法です。 ax² + bx + c の形を a(x - h)² + k の形に変換します。

平方完成の公式:

ax² + bx + c = a(x - h)² + k

ここで、h = -b/(2a)、k = c - b²/(4a)

平方完成の手順:

  1. a ≠ 1のとき、aで括り出す:a(x² + (b/a)x) + c
  2. (b/2a)²を加えて引く:a(x² + (b/a)x + (b/2a)²) - a(b/2a)² + c
  3. 完全平方式にまとめる:a(x + b/2a)² + (c - b²/4a)
  4. 整理する:a(x - h)² + k

例:

x² + 6x + 5 を平方完成すると:

= (x² + 6x + 9) - 9 + 5

= (x + 3)² - 4

頂点:(-3, -4)、対称軸:x = -3

日本の教育における平方完成

学習指導要領における位置づけ

文部科学省の「高等学校学習指導要領」によると、 平方完成は高校1年生の数学I「二次関数」の単元で学習します。

学年科目単元学習内容
中学3年数学二次方程式解の公式の導出で平方完成を使用
高校1年数学I二次関数平方完成による頂点の求め方
高校1年数学I二次関数最大値・最小値の問題
高校2年数学II積分定積分の計算で応用

文部科学省 学習指導要領 →

生徒の理解度

国立教育政策研究所の「高等学校学習指導要領実施状況調査(令和2年度)」によると、 平方完成に関する問題の正答率は:

基本問題(a=1の平方完成):正答率 76.8%

標準問題(a≠1の平方完成):正答率 58.3%

応用問題(最大値・最小値の決定):正答率 41.7%

a=1の場合の平方完成は比較的理解されていますが、a≠1の場合や応用問題になると正答率が下がります。

大学入試での重要性

河合塾教育研究開発本部の「大学入試分析(2023年度)」によると、 二次関数に関する問題は大学入試で頻出です:

試験種別出題率主な出題形式
共通テスト(数学IA)95%以上頂点・最大最小値
国公立二次(理系)68%応用問題・証明
私立大学(文系)72%基本~標準問題

平方完成は二次関数の問題を解く上で必須のテクニックであり、大学入試で非常に重要です。

平方完成の詳しい手順

基本形(a = 1の場合)

y = x² + bx + c の形の平方完成:

例:y = x² + 6x + 5

ステップ1: (b/2)²を加えて引く

y = x² + 6x + 9 - 9 + 5

b = 6なので、(6/2)² = 9を加えて引きます

ステップ2: 完全平方式を作る

y = (x + 3)² - 4

x² + 6x + 9 = (x + 3)² なので、まとめます

結果

y = (x + 3)² - 4

頂点:(-3, -4)、対称軸:x = -3

一般形(a ≠ 1の場合)

y = ax² + bx + c の形の平方完成:

例:y = 2x² - 8x + 3

ステップ1: aで括り出す

y = 2(x² - 4x) + 3

x²とxの項からa=2を括り出します

ステップ2: (b/2a)²を加えて引く

y = 2(x² - 4x + 4 - 4) + 3

b/a = -4なので、(-4/2)² = 4を加えて引きます

ステップ3: 括弧の外に出す

y = 2(x² - 4x + 4) - 2×4 + 3

-4に係数2がかかるので、-8になります

ステップ4: 完全平方式を作る

y = 2(x - 2)² - 5

x² - 4x + 4 = (x - 2)² なので、まとめます

結果

y = 2(x - 2)² - 5

頂点:(2, -5)、対称軸:x = 2

公式を使った方法

計算過程を経ずに、直接頂点を求める公式もあります:

y = ax² + bx + c の頂点(h, k):

h = -b/(2a)

k = c - b²/(4a)

または、k = (4ac - b²)/(4a) と表すこともできます

平方完成の応用

1. 最大値・最小値の決定

平方完成により、二次関数の最大値・最小値を求めることができます。

例:y = -x² + 4x - 1 の最大値

平方完成すると:y = -(x - 2)² + 3

a = -1 < 0 なので、x = 2 のとき最大値 3をとる

2. 二次方程式の解の公式の導出

ax² + bx + c = 0 の解の公式は、平方完成から導かれます。

ax² + bx + c = 0

a(x² + (b/a)x) + c = 0

a(x + b/(2a))² - b²/(4a) + c = 0

a(x + b/(2a))² = b²/(4a) - c = (b² - 4ac)/(4a)

(x + b/(2a))² = (b² - 4ac)/(4a²)

x = (-b ± √(b² - 4ac)) / (2a)

3. グラフの移動

y = a(x - h)² + k の形から、グラフの平行移動がわかります。

  • y = ax²を基準として:
  • x方向にhだけ平行移動
  • y方向にkだけ平行移動
  • したがって、頂点は原点(0,0)から(h,k)に移動します

4. 定積分の計算

高校数学IIの積分において、平方完成は定積分の計算に使用されます。

例:∫(x² + 2x + 2)dx

平方完成すると:x² + 2x + 2 = (x + 1)² + 1

∫(x² + 2x + 2)dx = ∫((x + 1)² + 1)dx

= (x + 1)³/3 + x + C

5. 物理学での応用

物理学の放物運動や、工学の最適化問題でも平方完成が使われます。

  • 放物運動:最高点の高さと到達時間の計算
  • 最適化:費用や効率の最大値・最小値の決定
  • 電気回路:共振周波数の計算

平方完成でよくある間違い

間違い1: aを括り出すのを忘れる

❌ 間違い:2x² + 8x + 3 = (2x + 4)² + ... とする

✓ 正しい:2(x² + 4x) + 3 = 2(x + 2)² - 5

a ≠ 1のとき、必ずaを括り出してから平方完成します。

間違い2: 係数の扱いを間違える

❌ 間違い:2(x² + 4x + 4) - 4 + 3 とする

✓ 正しい:2(x² + 4x + 4) - 2×4 + 3 = 2(x + 2)² - 5

括弧の外に出すとき、係数aをかけるのを忘れないようにします。

間違い3: 符号のミス

❌ 間違い:x² - 6x + 5 = (x - 3)² + 5 とする

✓ 正しい:x² - 6x + 5 = (x - 3)² - 4

(b/2)²を加えて引くとき、引く部分を忘れないようにします。

よくある質問 (FAQ)

平方完成はなぜ必要ですか?

平方完成には以下のような利点があります:
  • 頂点の座標が一目でわかる:y = a(x - h)² + k の形にすれば、頂点(h, k)がすぐに読み取れます
  • 最大値・最小値がわかる:aの符号により、y = kが最大値または最小値になります
  • グラフの形状がわかる:y = ax²のグラフを平行移動した形だとわかります
  • 解の公式の導出:二次方程式の解の公式は平方完成から導かれます

頂点を求めるだけなら、公式を使えばいいのでは?

確かに、h = -b/(2a)、k = c - b²/(4a) という公式を使えば、 計算過程を経ずに頂点を求められます。

しかし、平方完成の過程を理解することは重要です:
  • 解の公式の導出過程を理解できる
  • 積分計算など、他の分野での応用に役立つ
  • 式の変形能力が身につく
  • 大学入試では、過程を書くことが求められる場合がある

公式は便利ですが、平方完成の原理を理解した上で使うことが大切です。

a が負の数のときはどうすればいいですか?

a が負の数でも、手順は同じです。ただし、符号に注意が必要です。

例:y = -x² + 4x - 1

= -(x² - 4x) - 1

= -(x² - 4x + 4 - 4) - 1

= -(x - 2)² + 4 - 1

= -(x - 2)² + 3

a = -1 < 0 なので、頂点(2, 3)で最大値3をとります。

平方完成と因数分解の違いは?

平方完成と因数分解は、どちらも二次式を変形する方法ですが、目的が異なります:
方法変形後の形目的
平方完成a(x - h)² + k頂点・最大最小値を求める
因数分解a(x - α)(x - β)解(x軸との交点)を求める

例:x² - 5x + 6 は、因数分解すると(x - 2)(x - 3)、平方完成すると(x - 2.5)² - 0.25

平方完成ができない二次式はありますか?

いいえ、すべての二次式は平方完成できます。 判別式が負の場合(実数解がない場合)でも、平方完成は可能です。

例:y = x² + 2x + 5(判別式 D = 4 - 20 = -16 < 0)

= (x + 1)² + 4

頂点(-1, 4)は存在し、最小値は4です。ただし、x軸とは交わりません。

なぜ (b/2)² を加えるのですか?

(x + p)² = x² + 2px + p² という完全平方式の形を作るためです。

理由:

x² + bx という式があるとき、

2px = bx となるには、p = b/2

したがって、p² = (b/2)² を加えれば、

x² + bx + (b/2)² = (x + b/2)² という完全平方式になります。

ただし、(b/2)²を加えた分、後で引く必要があります。

関連する数学概念

二次関数

y = ax² + bx + c の形で表される関数。グラフは放物線(パラボラ)になります。 平方完成は二次関数を理解する上で最も重要な技法の1つです。

頂点(vertex)

放物線の最高点または最低点。平方完成により、頂点の座標を容易に求められます。

対称軸(axis of symmetry)

放物線を左右対称に分ける直線。頂点のx座標を通る垂直な直線です。

判別式(discriminant)

D = b² - 4ac で表される値。二次方程式の解の個数を判定します。 D > 0なら2つの実数解、D = 0なら重解、D < 0なら実数解なし。

完全平方式

(x + p)² や (ax + b)² のように、式の2乗で表される式。 平方完成は、二次式を完全平方式に変形する手法です。