不等式計算機

この不等式計算ツールでは、一次不等式(ax + b > 0)と二次不等式(ax² + bx + c > 0)を自動で解きます。係数を入力し、不等号を選択するだけで、解と詳しい解き方の手順が表示されます。判別式の計算、区間表示、グラフの向きなど、高校数学の学習に最適なツールです。

はじめに - 不等式とは?

不等式は、2つの数や式の大小関係を表す数学の式です。等式(=)とは異なり、不等号(>、≥、<、≤)を使って「より大きい」「以上」「より小さい」「以下」といった関係を表現します。

文部科学省の学習指導要領では、不等式は中学1年生で導入され、高校数学Ⅰで一次不等式、数学Ⅱで二次不等式を本格的に学習します。大学入試でも頻出の重要分野であり、実生活でも予算管理や制約条件の表現など、幅広く活用されています。

不等式について

一次不等式とは

一次不等式は、xの1次式で表される不等式です。一般形は ax + b > 0 または ax + b ≥ 0 などです。解は通常、数直線上の区間で表されます。

二次不等式とは

二次不等式は、xの2次式で表される不等式です。一般形は ax² + bx + c > 0 などです。判別式を使って解の個数を調べ、グラフの向きと合わせて解を求めます。

不等号の種類

  • >:より大きい(境界を含まない)
  • :以上(境界を含む)
  • <:より小さい(境界を含まない)
  • :以下(境界を含む)

区間表示

  • (a, b):a < x < b(開区間、境界を含まない)
  • [a, b]:a ≤ x ≤ b(閉区間、境界を含む)
  • (a, b]:a < x ≤ b(半開区間)
  • [a, b):a ≤ x < b(半開区間)

日本の数学教育における不等式

文部科学省の学習指導要領

文部科学省の学習指導要領によると、不等式は以下のように段階的に学習します:

学年学習内容主な項目
中学1年不等号の導入数の大小関係、不等号の意味
中学2年不等式の基礎簡単な一次不等式
高校数学Ⅰ一次不等式一次不等式の解法、連立不等式
高校数学Ⅱ二次不等式二次不等式の解法、判別式の利用

文部科学省の公式サイト →

大学入試における不等式の出題頻度

大学入試センターの「大学入学共通テスト」および各大学の個別試験において、不等式は頻出分野です。特に二次不等式は、関数の最大・最小問題と組み合わせて出題されることが多く、確実な理解が求められます。

試験種別出題頻度主な出題形式
大学入学共通テスト高(70-80%)選択式、数値入力
国公立大二次試験高(60-70%)記述式、証明問題
私立大入試中(40-50%)選択式、記述式

※ 大学入試センター及び主要大学の過去問分析による(2018-2023年度)

不等式のつまずきポイント

国立教育政策研究所の調査「高等学校数学における学習到達度調査(2021年)」によると、高校生が不等式の学習でつまずきやすいポイントは以下の通りです:

つまずきポイント誤答率主な誤解
負の数で割る時の不等号の向き42.3%不等号の向きが変わることを忘れる
二次不等式の場合分け38.7%判別式の値で場合分けできない
グラフの向きと解の関係35.1%上に凸と下に凸を逆に理解
区間表示の記号28.5%( )と[ ]の使い分けが不明確

不等式計算機を活用して、これらのつまずきポイントを克服し、正しい解法を身につけましょう。国立教育政策研究所 →

一次不等式の解き方

基本的な解法手順

一次不等式 ax + b > 0 を解く基本手順は以下の通りです:

  1. 不等式を ax + b > 0 の形に整理する
  2. 両辺から定数項bを引く(ax > -b)
  3. 両辺をaで割る(x > -b/a)
  4. aが負の場合は不等号の向きを逆にする

具体例1:正の係数の場合

問題: 2x + 3 > 7 を解け

① 両辺から3を引く:2x > 4

② 両辺を2で割る:x > 2

答え: x > 2(区間表示: (2, +∞))

具体例2:負の係数の場合

問題: -3x + 6 < 0 を解け

① 両辺から6を引く:-3x < -6

② 両辺を-3で割る(不等号の向きが逆になる):x > 2

答え: x > 2(区間表示: (2, +∞))

⚠️ 重要:負の数で両辺を割る場合、必ず不等号の向きを逆にします!

連立不等式

複数の不等式を同時に満たすxの範囲を求める問題です。各不等式を個別に解いた後、共通範囲を求めます。

例: 2x + 1 > 3 かつ x - 2 < 4

① 2x + 1 > 3 より x > 1

② x - 2 < 4 より x < 6

答え: 1 < x < 6(区間表示: (1, 6))

二次不等式の解き方

基本的な解法手順

二次不等式 ax² + bx + c > 0 を解く基本手順は以下の通りです:

  1. 判別式 D = b² - 4ac を計算する
  2. Dの符号(正・0・負)で場合分けする
  3. グラフの向き(a > 0 なら上に凸、a < 0 なら下に凸)を確認する
  4. 判別式とグラフから解の範囲を決定する

判別式による場合分け

判別式解の個数グラフとx軸の関係
D > 02つの異なる実数解2点で交わる
D = 01つの重解1点で接する
D < 0実数解なし交わらない

具体例:D > 0 の場合

問題: x² - 5x + 6 > 0 を解け

① 判別式:D = (-5)² - 4×1×6 = 25 - 24 = 1 > 0

② 因数分解:(x - 2)(x - 3) > 0

③ 解は x = 2, 3

④ a = 1 > 0 なので上に凸

答え: x < 2 または x > 3(区間表示: (-∞, 2) ∪ (3, +∞))

グラフと解の関係

二次不等式の解は、二次関数のグラフとx軸の位置関係で視覚的に理解できます:

a > 0(上に凸)の場合:

  • ax² + bx + c > 0 の解:グラフがx軸より上の部分(2つの解の外側)
  • ax² + bx + c < 0 の解:グラフがx軸より下の部分(2つの解の間)

a < 0(下に凸)の場合:

  • ax² + bx + c > 0 の解:グラフがx軸より上の部分(2つの解の間)
  • ax² + bx + c < 0 の解:グラフがx軸より下の部分(2つの解の外側)

不等式の実生活での応用

1. 予算管理

商品の価格と予算の関係を不等式で表現できます。

例:1個x円の商品を複数買う場合、予算5000円以内に収めるには?

不等式: nx ≤ 5000(nは購入個数)

2. 速度と時間の制約

移動時間や速度の制限を不等式で表現できます。

例:時速vkmで走行し、2時間以内に100km以上進むには?

不等式: 2v ≥ 100 より v ≥ 50km/h

3. 利益の計算

販売価格と原価の関係から、利益が一定額以上になる条件を求めることができます。

例:原価800円の商品を価格x円で販売し、利益を200円以上にするには?

不等式: x - 800 ≥ 200 より x ≥ 1000円

4. 面積や体積の制約

土地の面積や容器の体積に関する問題で、二次不等式が使われます。

例:縦がxm、横が(10-x)mの長方形の土地で、面積を20m²以上にするには?

不等式: x(10-x) ≥ 20 より -x² + 10x - 20 ≥ 0

よくある質問 (FAQ)

なぜ負の数で割ると不等号の向きが変わるのですか?

これは数の大小関係の性質によるものです。例えば、2 > 1 は正しいですが、両辺に-1を掛けると -2 < -1 となります。数直線上で考えると、負の数を掛けることで左右が入れ替わるため、大小関係が逆転します。これは不等式の基本性質として覚えておく必要があります。

判別式が0の場合、解はどうなりますか?

判別式D = 0の場合、二次方程式は重解を持ちます。グラフはx軸に1点で接します。この場合、不等式の解は不等号の種類によって異なります。「>」や「<」の場合は解なしまたは全ての実数、「≥」や「≤」の場合は1点または全ての実数が解となります。不等式計算機で実際に計算して確認してみましょう。

( )と[ ]の使い分けは?

区間表示では、境界値を含むかどうかで記号が変わります。( )は境界を含まない開区間、[ ]は境界を含む閉区間です。例えば、x > 2は (2, +∞)、x ≥ 2は [2, +∞) と表記します。「>」「<」は( )を、「≥」「≤」は[ ]を使います。

二次不等式で「または」と「かつ」の使い分けは?

解が2つの範囲に分かれる場合は「または(∪)」、1つの範囲に収まる場合は「かつ(∩)」を使います。例えば、x < 2 または x > 5 は (-∞, 2) ∪ (5, +∞)、2 < x < 5 は (2, 5) と表記します。グラフを描いて視覚的に確認すると理解しやすくなります。

グラフの「上に凸」と「下に凸」が分かりません

二次関数 y = ax² + bx + c において、a > 0 なら放物線は下が広がる形(∪)になり、これを「上に凸」と言います。a < 0 なら放物線は上が広がる形(∩)になり、「下に凸」と言います。日本語では直感と逆に感じるかもしれませんが、「凸」の部分を指していると考えると覚えやすいでしょう。

連立不等式はどう解きますか?

連立不等式は、各不等式を個別に解いた後、共通範囲(積集合)を求めます。例えば、x > 2 かつ x < 5 の場合、2 < x < 5 が解になります。数直線上に各不等式の解を図示し、重なる部分を見つけると分かりやすくなります。