溶液の質量と溶質の質量から質量パーセント濃度を計算します。溶液の質量(g)と溶質の質量(g)を入力し、質量パーセント(例: 5%)を表示します。
質量パーセント濃度(しつりょうパーセントのうど)とは、溶液中に含まれる溶質の質量が溶液全体の質量に対して何パーセントを占めるかを示す濃度の表し方です。 化学実験や製薬、食品製造など様々な分野で使用される基本的な濃度表現の一つです。
例えば、5%の食塩水は、溶液全体の質量の5%が食塩(溶質)で、残りの95%が水(溶媒)であることを意味します。 具体的には、100gの5%食塩水には、5gの食塩と95gの水が含まれています。
質量パーセント濃度は以下の計算式で求められます:
質量パーセント濃度 (%) = (溶質の質量 ÷ 溶液の総質量) × 100
例:
ppm(百万分率)は以下の計算式で求められます:
ppm = (溶質の質量 ÷ 溶液の総質量) × 1,000,000
※1% = 10,000 ppm です。
溶液の濃度を表す方法には質量パーセント濃度以外にもいくつかあります。それぞれの特徴と用途を理解することで、適切な濃度表現を選択できます。
濃度表現 | 定義 | 単位 | 主な用途 |
---|---|---|---|
質量パーセント濃度 | (溶質の質量 ÷ 溶液の質量) × 100 | % | 一般的な化学実験、製造プロセス |
モル濃度(モル/リットル) | 溶質のモル数 ÷ 溶液の体積(L) | mol/L または M | 化学反応の計算、滴定分析 |
体積パーセント濃度 | (溶質の体積 ÷ 溶液の体積) × 100 | % v/v | アルコール濃度、液体混合物 |
ppm(百万分率) | (溶質の質量 ÷ 溶液の質量) × 1,000,000 | ppm | 微量成分分析、環境分析 |
質量モル濃度(モル/kg) | 溶質のモル数 ÷ 溶媒の質量(kg) | mol/kg | 物理化学、熱力学的計算 |
10%の食塩水100gを作るには、食塩をどれだけ溶かせばよいでしょうか?
質量パーセント濃度 = (溶質の質量 ÷ 溶液の質量) × 100
10% = (食塩の質量 ÷ 100g) × 100
食塩の質量 = 10g
したがって、10gの食塩を水に溶かして全体で100gになるように調製します(水は90g必要)。
5%の砂糖水200gと15%の砂糖水100gを混合した場合、最終的な砂糖水の濃度は何%になるでしょうか?
5%の砂糖水中の砂糖量 = 200g × 0.05 = 10g
15%の砂糖水中の砂糖量 = 100g × 0.15 = 15g
混合後の砂糖の総量 = 10g + 15g = 25g
混合後の溶液の総量 = 200g + 100g = 300g
混合後の濃度 = (25g ÷ 300g) × 100 = 8.33%
20%のエタノール溶液を5%に希釈するには、元の溶液100gに対して水をどれだけ加えればよいでしょうか?
元の溶液中のエタノール量 = 100g × 0.20 = 20g
希釈後の溶液を xg とすると:
5% = (20g ÷ xg) × 100
x = 20g ÷ 0.05 = 400g
加える水の量 = 400g - 100g = 300g
したがって、100gの20%エタノール溶液に300gの水を加えると、5%のエタノール溶液400gが得られます。
質量パーセント濃度は溶液中の溶質の質量が溶液全体の質量に対して何パーセントかを示す指標です。 一方、モル濃度は溶液1リットルあたりの溶質のモル数を示します。 質量パーセント濃度は溶質の分子量に関係なく計算できるため、分子量が不明な混合物や複雑な物質でも使用できる利点があります。
質量パーセント濃度からモル濃度への変換には、溶液の密度と溶質の分子量が必要です。 計算式は以下のとおりです:
モル濃度(mol/L) = (質量パーセント濃度 × 溶液の密度(g/mL) × 10) ÷ 溶質の分子量(g/mol)
例えば、5%の塩化ナトリウム水溶液(密度1.03 g/mL、NaClの分子量58.44 g/mol)の場合:
モル濃度 = (5 × 1.03 × 10) ÷ 58.44 ≈ 0.88 mol/L となります。
溶質の質量が溶液の総質量を超えることはありません。溶液の総質量は溶質と溶媒の質量の合計であるため、 溶質の質量は常に溶液の総質量より小さくなります。 入力値に誤りがある場合は、溶質と溶液の質量を再確認してください。